朝ドラ『虎に翼』尊属殺人罪は平成まで存在していた!? あくまで“重罰規定”が違憲とされた運命の最高裁判決の裏側 朝ドラ『虎に翼』外伝no.72 NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』は、最終週「虎に翼」が放送中。山田よね(演:土居志央梨)と轟太一(演:戸塚純貴)が弁護を担当する尊属殺人事件の被告人・斧ヶ岳美位子(演:石橋菜津美)に対して最高裁判決が下される日がやってきた。結果として美位子は「殺人罪」で裁かれて執行猶予がつき、新潟へと旅立つ。しかし、この判決の裏側にはドラマでは描かれなかった法曹の葛藤と対立、その後の社会に残された課題があった。 ■尊属に対する罪の規定そのものが違憲とされたわけではない モデルとなった事件において最高裁判決が下されたのは、昭和48年(1973)4月4日のことだった。事件が起きたのは、昭和43年(1968)10月5日だったから、約4年半の月日が流れたことになる。 第