カーラ・プラトーニ氏 現代の科学技術の進歩は目まぐるしいほどだ。10年前には空想の世界でしかなかった技術が現実になっているケースも少なくない。実は人間の身体を「サイボーグ」のように強化する研究が進んでいるという。 今までにも、医療の一環として機械を人間の体内に埋め込む技術はあった。だが、治療ではなく、五感を強化あるいは新たな知覚を得るために、自らの身体に装置を進んで埋め込む人たちが現れた。彼らは“バイオハッカー”と呼ばれる。 綿密な取材を基にバイオテクノロジーの現状をリアルに描いた『バイオハッキング -テクノロジーで知覚を拡張する-』が話題を呼んでいる。本書の著者で科学ジャーナリストのカーラ・プラトーニ氏に、国際ジャーナリストの大野和基氏が、バイオハッキング技術が人間にもたらす未来などについて話を聞いた。 人間の“サイボーグ化”が静かに進行 ――本書を読んだとき、子供の頃に「頭の後ろにも目