■エンジン完成遅れでコスト高騰 衛星打ち上げビジネスへの参入を見込んで、日本で初めて官民共同開発を目指す中型ロケット「GX」の先行きが混迷している。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が担当する2段目エンジンの完成が遅れ、開発費が高騰。「低コスト」などの前提が崩れ、計画の見直しを議論している文部科学省宇宙開発委員会の専門委では、見通しの甘さなどを指摘する厳しい意見が相次いでいる。(社会部 小野晋史) 「率直にいうと、失敗したなと思う」。4月24日、GX計画での官民の役割分担などを議論する宇宙開発委の小委員会で、委員の1人がため息をついた。 今年1月の設置以降、GX開発の現状が明らかになるにつれ、会合は計画の今後の方向性よりも計画自体の意義を議論する場となった。5月中には結論を出す予定だが、“前向き”の打開策は見えてこない。 GXは当初、宇宙技術の産業化や、主力ロケット「H2A」を補完する役割な