拙著「革新的生産スケジューリング入門」の冒頭にも書いたとおり、私はあまり「管理」という言葉を使わない。管理という日本語は便利だが、非常に多義的であり、使い方に注意しないとみえない誤解を生むことがある。 その一つの典型が「在庫管理」ではないだろうか。在庫管理をめぐって社内外の技術者と議論すると、どうも誤解や混乱が生じることが多い。そのうちに私はふと、在庫管理という用語が、じつは二種類の異なる意味で使われていることに気がついた。それは「在庫品」のコントロールと、「在庫量」のマネジメントである。 いったいその二つのどこが違うのだ、とお思いだろうか? 在庫品を管理する事とは、同時にその数量を管理することでもある、はずではないか。 ところが、必ずしもそうではないのだ。製造業の中には、製品や資材の物的管理はきちんとしているが、製品在庫量や資材の在庫レベルについては明確な基準がなく、なりゆきまかせに近い
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