昔、うちの印刷工場はすさんでいました。オジサンが下駄を履いてタバコを吸いながら印刷をしているような状態です。 はじめて、ビル1棟分の本格的な印刷工場を構えたのが、15年ほど前のことです。当時は、オペレーションも従業員の管理方法もまったくわからず、工場はみるみるうちに荒れてしまいました。 しかし、いまでは工場見学にきたお客さんに「すごくきれいで、あいさつの気持ちいい工場ですね」と言っていただけます。ここに至るまでには、僕の父で創業者である先代の、執念と哲学がありました。 「しのごの言わずに、掃除するぞ」どうやって工場をまわしていけばいいのか。 考えあぐねていたとき、先代がいちばん最初にやったのが「掃除」でした。 「品質とか生産性とか、しのごの言うな。まず工場っていうのは、整理整頓・清潔であるってことが大事なんだ」と。 先代は印刷組合の副理事長をやっていて、他のいろんな印刷会社を見てまわる機会