2011.1.13 ビジネス& IT Law 第10回 「優越的地位の濫用に関する公正取引委員会のガイドラインについて 〜電子出版に際しての留意点〜」 弁護士 桑野雄一郎(骨董通り法律事務所 for the Arts) ■はじめに 最近電子出版に向けての動きがソフト,ハードの両面から急激に進んでいることはご存じのとおりです。昨年11月1日には社団法人日本書籍出版協会が電子出版に対応した契約書のひな型を,また12月1日には社団法人日本雑誌協会が日本文藝家協会、日本写真著作権協会と共同で策定した雑誌デジタル配信「権利処理ガイドライン」を発表するなど,出版社側から作品を提供する側との間で電子出版を意識した契約書を締結しようとする動きが広まっています。 この動きと相前後して,昨年11月30日に公正取引委員会が,「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」(以下「本ガイドライン」とします。)と