(英エコノミスト誌 2011年1月15日号) 米国の政治がもっと礼節をわきまえるようになれば、多くの面で有益だろう。しかし、それ以上に米国に必要なのは、分別のある銃規制法だ。 米共和党のサラ・ペイリン氏は、退くな、弾を込めよ、と支持者に檄を飛ばしたことがある。2010年の中間選挙の前には、ペイリン氏のウェブサイトは、民主党が押さえている議席を奪えそうな選挙区に銃の照準マークを付けた地図を掲載していた。 中間選挙で共和党候補者だったシャロン・アングル氏も、連邦政府に必要なのは「合衆国憲法修正第2条のような解決法」だと述べた。修正第2条とは、市民の武装権を保障する条項だ。 テレビやラジオの右寄りの司会者は、バラク・オバマ大統領があたかも憎むべきジョージ3世*1の生まれ変わりで、自分たちは革命の英雄であると言わんばかりに、ワシントンに巣食う専制に武力で抵抗すべきだと日々熱弁を振るっている。 この
国際ニュースをご紹介するこのコラム、今回は間もなく投票開始の中間選挙を目前にアメリカは正気を回復したのだろうか、という話です。珍しく私が直接、現場に行って見て来ました。「ニセモノ」ニュース番組のコメディアン司会者が呼びかけた「ニセモノ」政治集会に何十万人ものアメリカ人が集まりました。そこで何よりも批判されたのは、民主党でも共和党でも茶会運動でもなく、24時間ニュースの埋め草として憎しみや対立を煽るメディアでした。「sanity (正気)」を取り戻そう、理性ある政治対話をしようと求めるコメディアンの訴えにニコニコと拍手する人たちに囲まれながら、これこそ私が好きなアメリカだと思いを新たにしました。(gooニュース 加藤祐子) ○素晴らしい秋の一日 ジョン・スチュワートの集会の開始を待つ人たち。舞台の後ろに連邦議会議事堂。この4時間後には、集まった人数はこの10倍近くに。10月30日早朝、ワシン
中間選挙を前に、能力主義で逆境を克服し成功したオバマのようなエリートへの反発が噴出、政敵の格好の攻撃材料になっている 1958年、イギリスの社会学者で労働党の政治家マイケル・ヤングは、イギリスの支配階級が自らを解体し、あらゆる世襲権力を廃止し、その代わりに知能指数(IQ)に基づく「メリトクラシー(能力主義社会)」を作り出す未来を描いた(風刺小説『メリトクラシーの法則』)。 物語の中で、学問的才能に恵まれた労働者階級の人々は喜んでエリート層の一員となる。しかし才能がない人々はエリート層に対して、かつての貴族階級に対してよりさらに激しい恨みを抱く。2034年にはこの恨みが、暴力的で大衆迎合的なポピュリスト革命を引き起こし、メリトクラシーは一掃される。 当時からずっと、ヤングの小説はアメリカに対する警鐘だと一部の人々は受け止めてきた。72年にアメリカの社会学者ダニエル・ベルはこの物語を引用し、驚
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く