ここ10年ばかりの日本の右傾化の最大のメルクマール(指標)は、ヘイトスピーチ(憎悪表現)の爆発的増大である。毎日新聞6月22日夕刊の「特集ワイド」は、ヘイトスピーチ対策法が2016年6月に施行されたにもかかわらず、この現象が引き続き活発な状態にあることを詳しく検証している。取り上げられているのは、ヘイトスピーチの拡散ツールとなっているソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)だ。とりわけ、対策が遅れているツイッターについては、批判的な言及がなされている。 ツイッタージャパン社の笹本裕社長は、昨年11月放送のテレビ番組で「ヘイト自体は残念ながら僕らの社会の一つの側面だ」とし、「それ自体を認識しなくて社会が変わらなくなるよりは、それはそれでひとつあるということを認識して、社会全体が変えていくことになれば」と発言し、強い批判を招いた。憎悪感情の存在を人々に「認識」させるためには、それ自体が
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