『情報セキュリティの敗北史: 脆弱性はどこから来たのか』(アンドリュー・スチュワート、白揚社 2022年10月12日)をご恵投いただいたので読んでみた。実は原題は「A Vulnerable System: The History of Information Security in the Computer Age」でだいぶ印象が違う。 内容はサイバーセキュリティの歴史そのものだった。考えてみると、意外とサイバーセキュリティの歴史についてまとめられた本、特に包括的なものは思いあたらない。特定のテーマや地域に限定したものなら、すぐに思いつく。たとえば、アメリカがサイバー空間でぼこぼこにやられた歴史をまとめた『Dark Territory: The Secret History of Cyber War』(Fred Kaplan、Simon & Schuster、2017年3月28日)や、サイ
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