駅から港に向かうタクシーに揺られながら、膨れ上がっていく不安。 運転手さんはわずかに開けた窓から手を出して、風の強さを確認する。 海沿いに停めてもらったタクシーを降り、釣竿を抱えて海を見ながら途方に暮れる。 大荒れである。 ……我々が二人揃うと、どうしていつもこうなってしまうのか。 僕らはただ、出汁を取りたいだけなのに……。 野食ラーメンを麺から作る 話は3週間ほどさかのぼる。 野食おせちの取材を終えて帰る道すがら、担当編集・平林氏から「次回はラーメンやってみませんか?」という提案を受けた筆者は、間髪入れず賛成の意を示した。 ラーメンa.k.a.国民食である。 麺・スープ・かやく、作るべきものがはっきりしていてシンプルだし、それでいて奥が深いのでオリジナリティを表現しやすい。 何よりもネタとしてとてもキャッチーだ。 やらない理由がない。 麺については某アイドルのように小麦から育てるというわ