表現をすることを放棄している 表現の入口にすら立っていない。 要するにそういうことだった。 「私の住む町」という課題。 写真を見せに言った際、先生が私の目を真っ直ぐ見ていた。私は緊張で手が震え今すぐこの中途半端な写真をゴミ箱の奥底に押し込みたかった。 課題を出して単位を貰うためにこの課題を無意識のうちに軽んじていたこと、不器用なくせに、要するにこうしたら良いんだろうとラインを勝手に定めて愚鈍に器用な振りをしていたこと、その全てが顕著に浮き彫りになって露呈し、赤子の手をひねる程に容易に足元は見透かされた。 恥ずかしかった。 悔しくて涙が滲み出てきた その課題ときちんと向き合おうとせず舐め腐っていたこと、自分を成長させてくれる砥石から敢えて迂回し傷つくことを避けようとしていた卑怯な逃げ癖。すべて恥ずかしく、弱くてどうしようもなかった。 圧倒的に向き合う時間が足りてないとまで先生に言わせてしまっ