先端医療センター病院(神戸市)の倫理委員会は13日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)で目の難病「加齢黄斑変性」を治療する、理化学研究所(同市)チームの臨床研究の実施を承認した。 チームは理研の倫理委の承認も得ている。3月までに厚生労働省へ審査を申請する予定で、承認が得られれば、2013年度にも、iPS細胞を使った世界初の治療が始まる。 同病院倫理委によると、理研チームが現在実施している、安全性試験の最終結果が得られ次第、同倫理委へ報告することなどを条件に承認した。 臨床研究では、加齢黄斑変性のなかで、目の血管が異常に増えて、網膜の一部「色素上皮」が傷み、中心部が見えづらくなる「滲出(しんしゅつ)型」の50歳以上の患者6人が対象になる。同センター病院で行う治療では、眼球に特別な注射針を刺し、傷んだ色素上皮や血管を取り除き、各患者のiPS細胞から作製した色素上皮の細胞シートを貼り付ける。