印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます 彼岸と此岸が交差するメディア空間としての紀伊半島 9月上旬、和歌山県は紀伊半島の高野山から熊野三社と呼ばれる本宮大社、速玉大社、那智大社を巡ってきた。途中、民俗学者・南方熊楠が那智勝浦の森に4年間籠って採集した粘菌等の研究のため定住した田辺にも立ち寄り熊楠翁の顕彰館を訪問したり、海上彼方に存在するといわれる補陀落浄土を目指して多くの行者が小さな船で出帆した補陀落山寺を見学したり、古来より生と死が大自然の中で奇妙に溶融/反転してきた紀伊半島という土地が持つ神秘性を堪能した旅であった。 今回の旅の行程はすべて高野山大学総合学術機構・密教文化研究所の野口博司先生が入念に組み立ててくださったものであり、興味・関心はあるものの知識の追い付かない筆