あまり認識されていないが、化学肥料は化石燃料のエネルギーで製造されている。特に大量のエネルギーを必要とするのが窒素肥料。空気に含まれる窒素ガスをアンモニアに変換する。これには天然ガスのエネルギーを利用することが多く、アンモニアの製造だけで世界のエネルギー消費の1~2%にもなる。 ロシアが硝酸アンモニウムという重要な窒素肥料を世界の45%ものシェアを握っていたのは、豊かな天然ガス資源があったから。これがウクライナ侵攻のために手に入らなくなった。硝酸アンモニウムの半分が世界から消えた格好。 このため、化学肥料が世界的に不足している。不足しているなら作ればいい、とは簡単に言えない。空気中の窒素ガスをアンモニアに変換する設備を作るにも時間がかかるし、何より天然ガスのようなエネルギーが必要。そのエネルギーさえ手に入りにくくなっており、化学肥料の製造がままならない。 化学肥料は、天然ガス以外のエネルギ
化学者のつぶやき 機械学習は、論文の流行をとらえているだけかもしれない:鈴木ー宮浦カップリングでのケーススタディ 2022/4/18 化学者のつぶやき, 論文 JACS, 機械学習, 鈴木-宮浦クロスカップリング コメント: 0 投稿者: Zeolinite 機械学習においては優れたモデルを作り、反応生成物や収率の予測に成功した結果を報告するのが通常ですが、機械学習を使ってうまくいかなかったことを報告した論文がJACSに発表されたので、詳細を見ていきます。 背景 機械学習は、多くの分野において活用され顕著な成功をもたらしてきた技術ですが、高い精度の予測には明確な規則と高い品質のデータセットが必要で、それらがない場合には機械学習による予測は、影響力がなくなってしまいます。これは化学でも言えることで、データセットに機械的に明確な反応例が十分含まれている場合には、精度よく反応性を予測することがで
ドクター、ポスドク、独立はじめまで 第二回はこちら 第三回はこちら 第四回はこちら 第五回はこちら 第六回はこちら 第七回はこちら 第八回はこちら 有機化学の最先端を切り開き続けるMacMillan先生 有機化学を研究するならだれもがMacMillan groupの論文を読んで、その芸術的な反応に何度も舌を巻いたことだろう。 最近の論文を見ているだけでも楽しいのだけれど、MacMillan先生がどのような背景で、どのような流れで今の化学にたどり着いたかを調べてみることにした。 そこから一流研究者の研究戦略みたいなものが見つかればいいなと思っている。 ということで、何回かにわたってMacMillan先生の研究を研究してみたい。 MacMillan先生の略歴 図1. David MacMillan (外部リンク1より) まずはMacMillan先生の略歴を見てみる。 1987-19
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