大月発 くろしお便り(黒潮実感センター) 鉄の歯を持つ貝たち 貝に歯があるの?と驚かれる方がいるかもしれない。すべての貝にあるわけではないが、あるものも多い。そして中には、鉄の歯を持つ貝たちもいるのである。 潮の引いた磯に行くと必ずと言っていいほど目にする貝に、カサガイやヒザラガイの仲間がいる。カサガイの仲間は名前のように笠(傘)状の殻を持ち、アワビなどと同じく岩に強力に吸着して生活している。ちなみに柏島では岩のくぼみにいるからだろうかクボと呼ぶ。 膝のプロテクターのような形をしたヒザラガイの仲間は多板類とよばれ、扁平な体の背面に1列に並んだ8枚の殻を持っており、その周りに短いとげ状のモノがびっしりと生えている。島ではグジマが通り名である。どちらも日中は岩のすき間や日陰などに集まり、張り付いてじっとしていることが多い。岩からはがそうとしても素手ではまず難しい。 硬い岩をかじるため カサガイ