僕が幼稚園に通っていたときに、弟が生まれた。幼稚園の先生に弟の名前を聞かれ、僕はこう答えた。 「ギララガッパ」 先生は「ちゃんと本当のことを答えなさい」といったけれど、僕はギララガッパ以外の名前を言わなかった。怒った先生は親に報告したので、このことはおりある毎に繰り返される、我が家的にユーメーな話なのである。 僕はこのギララガッパという名前を、自分で考えたものだとずっと思いこんでいた。もちろん、松竹が1967年に公開した『宇宙大怪獣ギララ』と、日活が同じ年に公開した『大巨獣ガッパ』という、2大B級怪獣映画の名前を合成しただけにしろ(当時僕は3度の飯より怪獣が好きだったし)…。 しかし、1994年初夏、竹書房より復刊された天才バカボンの第一巻第一話を数十年ぶりに読み僕はひっくり返った。なんのことはない、バカボンのネタを幼稚園児の僕は、そのまま言っていただけだったのだ。 赤塚先生のご冥福をお祈