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ブックマーク / kaikaji.hatenablog.com (13)

  • それでも中国は世界第二位の経済大国である(下) - 梶ピエールのブログ

    実質GDPが過大評価されるということはどういうことか (承前)さて、書の59ページ図表9では、中国経済の公式統計が様々な「疑惑」を抱えていることをもって、「中国の実質GDP成長率が1985年以降の30年間、毎年3%水増しされている」という「控えめな」仮定をおいたとしても、実際のGDPは公式統計の3分の1であり、日を下回ってGDPは世界第3位になる、と述べている。言うまでもなく、この主張は書のタイトルの根拠にもなっている。ただ悪いけど、これは典型的な「ダメな議論」だと思う。 「中国のGDP統計に怪しいところがある」というのは事実だし、「年によっては実質成長率が数%過大に評価されている」ことも十分あり得る話だ。だからといってそこから「30年もの長期にわたって3%過小評価され続けている」という結論は、どうやったって出てこない。 そもそも、「実質GDP成長率の水増しが少しずつ重なって、最終的

    それでも中国は世界第二位の経済大国である(下) - 梶ピエールのブログ
    rna
    rna 2017/10/27
    「真の「愛国者」に求められるのは、そのような姿勢ではないだろうか」愛国者である以前に生活者だから!売れる本書かなきゃね!
  • それでも中国は世界第二位の経済大国である(上) - 梶ピエールのブログ

    先日、中国共産党の第19回党大会が開かれ、その後の一中全会で新たな政治局常務委員の顔ぶれが発表されたが、それとはあまり関係なく、このところ、「中国崩壊論」がらみの記事で2回ほど取材を受ける機会があった。野嶋剛氏によるNewsPickの記事「中国経済崩壊論の問題点」(有料記事)および、高口康太氏によるNewsWeekの記事「中国崩壊の崩壊カウントダウン」である。 ただ、私は狭義の「中国崩壊」すなわち、何らかのリスクが顕在することによって近いうちに共産党政権が倒れることを予言する書籍にはあまり関心を持っていない。むしろ最近注目してきたのは、より新しいタイプの、GDPの水増しが深刻なレベルであり、実際のGDPは公式統計の3分の1程度である、といった主張を展開する、いわば「中国経済成長まぼろし」ともいうべき一連の著作である。私がこれらの著作に関心を持つのは、いわば自分の守備範囲内なので、より

    それでも中国は世界第二位の経済大国である(上) - 梶ピエールのブログ
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    rna 2017/10/27
    上念司『習近平が隠す本当は世界3位の中国経済 (講談社+α新書)』への反論。
  • 大きな政府/小さな政府の対立を超えて - 梶ピエールのブログ

    実践 行動経済学 作者: リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン,遠藤真美出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2009/07/09メディア: 単行購入: 8人 クリック: 365回この商品を含むブログ (97件) を見る 邦訳のタイトルはミスリーディングだと思う。確かに前半は行動経済学の説明であるが、むしろそれはツールとしての必要からなされていて、主眼は著者の政治的立場である「リバタリアン・パターナリズム」の内容とその実践に関する説明の方にある。そしてそこにこそ、小さな政府と大きな政府という古典的な対立では捉えられない、現代社会の変化をとらえた書の重要な問題提起があると思う。 例えば、金融危機の後、もっとも必要なのは適切な金融市場の規制であり、ケインズ的な、すなわち裁量的な財政金融政策を安易に復活させるのは誤りだ、という主張が「小さい政府」の支持者から唱えられた。しかし、僕は

    大きな政府/小さな政府の対立を超えて - 梶ピエールのブログ
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    rna 2017/03/27
    「アーキテクチャ設計によってヒューマンによりよい選択のインセンティヴを与えること(=ナッジ)で実現しようというのが、リバタリアン・パターナリズムの立場」
  • ジニ係数に関するヘンテコな言説 - 梶ピエールのブログ

    インターネットメディアのSYNODOSに、「中国の所得格差はどうなっているのか」という記事を寄稿しました。中国社会を語る際の「定番ネタ」の一つである所得格差の問題について、政府が公表しているジニ係数の変動、「灰色収入」の存在とその規模、国有/非国有部門間の賃金格差、などの観点から整理しています。 さて中国の所得格差については日でも関心が高い話題で、そのことはいいのですが、中にはかなりミスリーディングな紹介記事も見受けられます。例えば、少し前の『読売新聞』の記事です。オリジナルのリンクが切れているので「魚拓」を取っているサイトをリンクしておきます。 「中国で貧富の差拡大、ネット関連報道は次々削除 -読売新聞」 【上海=鈴木隆弘】23日付の中国紙・南方都市報によると、西南財経大学(四川省成都)の研究チームは、中国の全世帯の10%を占める富裕層が、全国の総資産の63・9%を所有しているとする「

    ジニ係数に関するヘンテコな言説 - 梶ピエールのブログ
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    rna 2014/03/19
    「収入のジニ係数」(フロー)と「資産保有のジニ係数」(ストック)を混同してはいけない、貧困対策ではフローの格差がターゲットになる(ストックの格差は株価や不動産価格に依存するのであてにならない)、という話。
  • 抵抗する中国のメディア - 梶ピエールのブログ

    先日の朝日新聞が報じたことで、すっかり有名になった『南方都市報』のこの写真。 この写真について、イヴァン・ウィルさんが興味深いブログ記事を書かれていますので、以下、少し長いですが引用します。 「南方都市報」の関係者が「深読みはしないで欲しい」と言っていますが、開会式のリハーサルの中の鶴の場面だけを1面に掲載する必然性はなく、「南方都市報」が劉暁波氏のノーベル平和賞受賞を批判する党中央の方針を皮肉ったことは明らかでしょう。中国の新聞がこれほど直接的に党中央の意向に反する紙面を出すことは画期的だと思います。 以前、私が北京駐在時代の2008年7月24日、北京の新聞「新京報」は、元AP通信記者の Liu Xiangcheng (劉香成)氏(中国生まれ:米国籍)のインタビュー記事を載せ、このカメラマンが過去に賞を獲った写真として「傷者」というタイトルの写真とソ連のゴルバチョフ氏がソ連解体の書類にサ

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    rna 2010/12/21
    南方都市報が潰されないのは当局がうかつに手を出せない何らかの事情があるのだと思うが… 地下新聞ってわけじゃなく表で営業できてるわけだから。
  • 毛沢東と「野望の王国」 - 梶ピエールのブログ

    ・・さて、前置きのつもりの上の文章ががずいぶん長くなってしまったので、別エントリを立てます。というわけで日だけではなく世界中でその振る舞いが警戒されつつある中国とはどういう国なのか、その「建国」の事情に立ち返って捉えなおすには、なんといってもこの書物でしょう。 毛沢東 ある人生(上) 作者: フィリップショート,山形浩生,守岡桜出版社/メーカー: 白水社発売日: 2010/07/17メディア: 単行購入: 2人 クリック: 20回この商品を含むブログ (19件) を見る毛沢東 ある人生(下) 作者: フィリップショート,山形浩生,守岡桜出版社/メーカー: 白水社発売日: 2010/07/17メディア: 単行購入: 2人 クリック: 5回この商品を含むブログ (12件) を見る  7月に出たこの上下巻は相変わらず書店の中国コーナーに平積みにされているけど、若年層の中国離れがいっそう進

    毛沢東と「野望の王国」 - 梶ピエールのブログ
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    rna 2010/10/02
    「『マオ』は一言で言うなら雁屋哲原作、由起賢二画の傑作マンガ『野望の王国』のような悪漢小説の一種」むしろ『マオ』が読みたくなったw
  • ウイグル人ジャーナリストの釈放を求める声明 - 梶ピエールのブログ

    このブログで伝えてきたハイラット(ガイラット)・ニヤズ氏の裁判の件については、その後日でも、下にも書いたようにブログの情報発信に遅れること5日にして、ようやく共同通信が配信した。しかしその内容たるや・・「外国メディアの取材を受け、コメントしたことが罪に問われた」・・っていくら中国でもそれだけじゃ罪に問われないって。何をコメントしたのか、という点が問題なんでしょうに。ロイターをはじめ、NYTやBCCなど海外のメディアはずっと早く、かつその点にも踏み込んで報じているのだが。しかも、その後続報の動きはまったく見られない。 しかし、その後中国国内ではこの件に関して大きな動きがあった。まず7月29日に、中国国内のエイズ問題に取り組んでいるNGO愛知行研究所が、ハイラット氏への判決が不当であるとし、抗議する声明を発表した。「ハイラット氏は国家の安全に危害を加えるどころか、事件が悲惨な結果にならない

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    rna 2010/08/01
  • 産経新聞への抗議文 - 梶ピエールのブログ

    例の産経新聞に掲載された人種差別書評について、2週間前に以下のようなメールを大阪と東京の読者サービス室に送ったのですが、残念ながら何の返事ももらえませんでした。せっかくなので、以下に抗議文の内容を公開しておくことにします。問題の書評は現在もウェブサイトに堂々と掲載されています。他の抗議の電話とかFAXとかメールとかも、同じように一切無視されたのでしょうか。 前略 突然このようなメールを送りし、失礼いたします。私は関西の大学で主に現代中国経済研究を専門にし、研究・教育活動に従事している者です。その立場から、貴社の報道姿勢に関して折り入ってお尋ねしたい点があり、こうしてご連絡を差し上げた次第です。 4月25日付の貴紙書評欄に西尾幹二氏による河添恵子著『中国人の世界乗っ取り計画』の書評(以下、「西尾書評」)が掲載されました。その最後は以下のように締めくくられています。 「ウソでも百回、百カ所で先

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    rna 2010/06/05
    この新聞がこの人にこの本の書評を書かせるってことはまさにこういう表現を期待してるとしか思えないわけですが…
  • ウルケシをウアルカイシと呼ぶ勿れ。 - 梶ピエールのブログ

    さて、趙紫陽が死んだわけだが、日ごろ特に政治問題を熱心にヲチしているわけでもないし、17日付けの各新聞を読み比べてその扱い方の違いが興味深かったくらい(産経は「信念貫いた真の改革者」と偉人扱い、読売は中国批判モード全開、朝日・毎日はビミョー)でこの件について取り立てて言いたいことはない。ただ、一つだけ気になったというか言っておきたいのは、この件で各紙がコメントを掲載していた、王丹などと並ぶ天安門事件の学生運動のリーダーの一人だったウルケシ(ウアルカイシ)氏のことだ。 このウルケシという人は、事件の後フランスやアメリカへの亡命を経て台湾で実業家になっている。王丹などに比べてどうも単なる目立ちがり屋というかもともとそんなにモノを考えている人ではなく、長らく世界のマスコミからも忘れ去られていたのだが、最近になって陳水扁が僅差で勝利した台湾総統選の結果に反・民進党の立場から抗議してハンストを行うな

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    rna 2010/06/05
  • マオの時代のプレカリアート - 梶ピエールのブログ

    少し前だが、現在の中国社会における「臨時工」という存在の位置づけ、そして、例の餃子事件を始め、最近の中国においては何か社会的事件が起きるたびに「臨時工のやったこと」で片付けられてしまう風潮について、ふるまいよしこさんが次のようなとても興味深い記事を書いていた。 http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report4_1994.htmlより 日における毒ギョーザ事件報道でも、逮捕された呂月庭容疑者(蛇足だが、中国語的にはとてもきれいな名前だ)が犯行に及んだ理由について、「勤務条件への不満」や「正社員になれなかった」などという「臨時工であることの悔しさ」が全面的に強調されている。それはきっと中国側から伝えられた詳細をそのまま記事にするしかなかったのだろうが、「臨時工」という漢字の言葉が持つ意味があまり分からない日の読者にとっては、分かったよう

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    rna 2010/05/06
    「イデオロギー的にはその最盛期にあったときでさえ、現在のネオリベ化した社会におけるのと同様な底辺労働者の「疎外」をもたらしてしまう「社会主義」体制とはいったいなんだったのであろうか」
  • 緊急更新その2 - 梶ピエールのブログ

    前回もそうですが「緊急」というのはあくまでも「なかなか更新する気が起きないが、このネタぐらいは押さえておくか」という個人的な気分を表したものであり、世間的な意味は全くありませんのでご注意下さい。 http://www.php.co.jp/magazine/voice/ この雑誌は、巻頭におかれた円高と成長との関係がどうの、というネタとしか思えない論考にどうしても目が行ってしまいがちである。が、ここで触れておきたいのはそのことではなくて・・・同誌の比較的目立たないところ掲載されている水谷尚子氏の「ウイグルの襲撃事件はテロか」は、この人が書いたウイグル問題に関する論考の中でも、現状に対する見通しのよさという点では出色のものである。断言するが、今後この問題を語ろうとする者は、最低限ここに書かれているようなことは押さえておくべきである。また、そのこととは別に、以下のような水谷氏の姿勢には、あらため

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    rna 2008/09/12
  • 立腹などしていませんが、何か? - 梶ピエールのブログ

    http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20080715/p2 断っておくと僕が「立腹」しているというのは厨先生の勝手な判断であって、こちらはどちらかというと穏便にスルーしようと思っていたわけで、だからこそ「体制サイド」の考えを直接知る上でより有用だと思う費孝通のを推薦したりしたわけである。「ケツを舐める」云々のお上品な表現も厨先生が勝手に使っただけで、僕自身には「ケツを舐める」こと自体をどうのこうの言おうという意図はない。そもそも以前書いたように、僕は当事者でもない人間が中国政府を告発するという行為に対しては極めて懐疑的なのだ。むしろ引っかかっているのはそこからちょっとずれたところにある。 ・・というわけで結局のところまんまと乗せられた感が無きにしもあらずだが、この機会に思ったことを少し整理してみよう。 例えば、モンゴル人の研究者・楊海英氏が著書の中

    立腹などしていませんが、何か? - 梶ピエールのブログ
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    rna 2008/07/18
    「民族問題は確かに複雑な問題を抱えている。…しかし、その「危険さ」から逃れるための細い道は、唯一「今を生きる他者」のかすかな呼びかけに注意深く耳を傾けることによってのみ担保されるものではないだろうか」
  • 梶ピエールの備忘録。 - どう考えても盛り上がっているのは李嘉誠のほうだと思われる件について。

    どうも日のネット界はこのところ福田康夫首相と「のび太」ネタで盛り上がっているようだが、実は中国のネット界でそれ以上に盛り上がっているのが、福田首相と香港財界の大物・李嘉誠がクリソツだというネタで、大手掲示板サービスの「百度」などを中心に「激似」「それほど似てない」「親戚に違いない」「この際李嘉誠を駐日大使にしろ」などの書き込みが相次いでいる。 http://hi.baidu.com/carfieldhotel/blog/item/424c04237a93bf519922ed34.html http://hi.baidu.com/without_t/blog/item/e789bcfa083fcbddb58f3175.html 実際、中文版google(谷歌)で「福田康夫」& 「野比康夫」で検索をかけるとヒット数が5,120、「福田康夫」&「机器」で検索すると20,300であるのに対して

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