最新号のタイム誌に進化論対インテリジェント・デザイン(ID) についての特集が組まれていた。ああ、またかいなという感じだが、やっぱり何か言っといたほうがいいのかな、と思って。 高校の理科教育における進化論の扱いをめぐる議論はアメリカでは歴史が長く、1925年くらいにまでさかのぼる。詳細は面倒なので省くが、基本的にはキリスト教系保守派が生命の起源と歴史についての進化論の記述に異を唱えて、司法・行政の判断に訴えるという構図である。 この路線での最近の動きは、IDを進化論と並べて生物学の教程で教えるべきだ、というもの。IDが創造科学など従来の反進化論勢力の主張と違うのは、進化論を批判するものの、聖書など特定の宗教とのあからさまな結びつきを排している点である。基本的にIDの主張は「高等生物のつくりはきわめて複雑であり、自然淘汰や突然変異などだけで説明することは不可能である。背後にそれをデザインした