【北京=峯村健司、琴寄辰男】中国政府が、アジア域内の共通通貨体制の実現に向け本格的な検討を進めていることが明らかになった。世界一の外貨準備を持つ中国がドル基軸通貨体制から距離を置き始めたことを示す動きで、金融サミット(G20)での議論にも影響を与えそうだ。 アジアでの国際金融協力の動きは、97年のアジア通貨危機を受け、日本が国際通貨基金(IMF)のアジア版である「アジア通貨基金」(AMF)の設立を提案して先鞭(せん・べん)をつけた。さらに共通通貨体制を目指す提案は日本でも有識者から出ているが、今度は経済大国として台頭した中国が動き始めた。 中国政府筋によると、サブプライムローン問題への懸念が高まった昨年春、「アジア通貨協力検討会」が設置された。外務省、財務省、中国人民銀行(中央銀行)の担当者のほか、研究機関や大学の専門家で構成された。AMFの設立や人民元、円、韓国ウォンなどを組み込んだ