なぜ、いま韓国の病院は建設ラッシュなのか? 筆者は、5年にわたり日本の大手私立病院のITアドバイザーを経験し、現在は佐賀県の情報企画監、青森市のCIO補佐官として公立病院の状況を行政内部から見ている立場から、公立、私立病院の経営的な側面から日韓の違いなどを整理してみたい。中でも、韓国における医療事業の多角化やグローバル化、そして医療情報化について、いくつかの事例を挙げて紹介したい。 近年、日本の医療財政は少子高齢化の急激な進展に伴い、医療需要が急増する一方で、巨額の赤字を出し続けている。さらに日本の病院は、医療診療報酬の適正化や病院経営能力向上など内外の様々な要因によって苦しい経営を続けているのも事実であろう。これらの医療財政の危機を脱するために、前の自民党政権は国民的な抵抗を予想しながらも後期高齢者医療制度を作るなど、あらゆる財政健全化の方策を出し続けている努力をしているように見える。