現在、2010年度の改定が予定されている日本語能力試験では、問題の改定と平行して、「日本語を使って何ができるか」を記述したCan-do statementsの開発に取り組んでいます。試験問題の改定に伴い、級のイメージがより明確になり、何を測っている試験なのかがより具体化されることが期待されますが、それだけではそれぞれの級の合格者が実際の現実場面でどのようなことができるのかまでは伝わりません。 日本語能力試験と同様に、級ごとに試験を設けている日本の英語能力検定試験*1(以下、英検)では、「英検Can-doリスト」が2006年に公開され、各級の合格者が「できるであろう」行動が技能ごとにリスト化されています。例えば、準2級では「読む」や「聞く」などの受動的な技能において、「公共の施設などにあるお知らせや注意事項を理解することができる。(会場使用上の注意など)」や「簡単なアナウンスを聞いて、理解す
「ピア・ラーニング」とは、文字通りにはピア(peer:仲間)と学ぶ(learn)ことですが、対話をとおして学習者同士が互いの力を発揮し協力して学ぶ学習方法です。ピア・ラーニングにおいてもっとも重要な概念は、「協働」、つまり、人と人とが互いに力を出し協力して創造的な活動を行うことです。では、ピア・ラーニングと「協働的学習(collaborative learning)」とはどこが違うのでしょうか。協働的学習は協働による学び一般を指しますが、ピア・ラーニングはその中で相手が仲間(クラスメート)である場合に限定し、とくに教室場面での学習を想定しています。仲間同士の対等で互恵的な関係の中で、互いに貢献しあい学びます。現在、日本語の教室では、学習者が対話をとおして読みを深める「ピア・リーディング」や、互いに相手の作文を添削しあう「ピア・レスポンス」などさまざまなピア・ラーニングが行われています。 ピ
私はこの10数年、学習者オートノミーという言葉をキーワードにした研究をしている。1980年代の初めにコミュニカティブ・アプローチに関する文献を読み始めた頃から、この言葉は気になっていたが(青木, 1991)、この言葉について本格的に考えるきっかけになったのは、日本人の大学生を教え始めて、彼らのやる気のなさそうな態度の背後に自分の人間的成長に役に立つことを学びたいという強い気持ちが隠されているのを知ったことである(Aoki & Smith, 1999)。その後、2001年度から2003年度に在日外国人のために開かれている日本語教室での学習の実態を調査して、学習支援活動が必ずしも有効に機能していないことがわかり、学習者オートノミーという概念を日本語学習支援の文脈に持ち込むことで問題が解決できないだろうかと考えた(青木, 2004)。目下の最大の関心事は、その発想をどうやって具体的な形にするかと
本プログラムは、米国の草の根レベルで日本への関心と理解を深めることを目的に、地域に根ざした交流を進めるためのコーディネーターを2年間米国に派遣する事業です。活動を通して日本の草の根交流の担い手を育成するのも本プログラムのねらいです。2002年度より、国際交流基金と米国の非営利団体ローラシアン協会と共同でプログラムを実施しています。 JOIプログラムについて詳しく見る 活動を終え帰国したコーディネーターが現在どのような仕事・生活・活動をしているのかインタビューしました。 プログラムに参加する前・参加中・参加後の心情の変化や、JOIプログラムを通して得たモノなど、 盛りだくさんの内容となっていますので、ぜひご覧ください。
教室の外でのさまざまなリソースを活用し、体験の中で日本語を学ぶための教材です。 (1)教室で準備する、(2)教室の外で行動する、(3)教室にもどって体験をまとめる、という活動の流れを、会話例やワークシートの形で紹介しています。 また、活動に必要な日本社会の基礎知識を紹介するNipponガイド(紙版、PowerPoint版)や、活動を中心としたコースを作るための評価のアイデアやコースデザイン例も盛り込みました。日本語環境での行動力を身につけるために役立つアイデア集です。
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