カリフォルニア大学とのコラボレーションで進める新しい研究プロジェクトが発表された。量子ビットを工学的観点からも研究する。 ちなみに量子コンピューター開発の現状については、こちらの記事でも紹介している。lightpoet / Shutterstock.com グーグルは、人工知能の分野で使用するための量子プロセッサーをつくる目的で、新しい研究プロジェクトを立ち上げる準備ができている。 グーグルのエンジニアリング部門のディレクター、ハルトムート・ネーフェンは、物理学者ジョン・マルティニスの率いるチームが、超伝導物質に基にした新しい量子プロセッサーの研究を始めることをブログで発表した。 カリフォルニア大学サンタバーバラ校において、マルティニスは、この数カ月で、超伝導に基づく電子部品の構築において大きな進展を成し遂げた。そして最近、「量子情報の制御と加工における先駆的な進歩」によってフリッツ・ロン
最小の生物で肺炎などの病原菌としても知られるバクテリアの「マイコプラズマ」が、足のような突起を使って一歩一歩、動くことを学習院大の西坂崇之教授らの研究チームが発見した。感染の仕組みの解明や、新たな治療薬開発への応用などが期待される成果という。米科学誌に論文が掲載された。 マイコプラズマは体長約1千分の1ミリ。感染した細胞の表面上を滑るように素早く動くことで知られる。数百本ある長さ約50ナノメートル(ナノは10億分の1)の突起状の“足”を使うとされていたが、詳しいメカニズムは不明だった。 研究チームは高精度な光学顕微鏡とカメラを使い、ガラス板の上に置いたマイコプラズマの動きを、つぶさに観察。前進と停止を繰り返しながら、足1本当たり約1万分の1ミリの歩幅で歩いていることを突き止めた。生体内を歩くように動くタンパク質と比べて歩幅は大きく、歩行距離から毎秒50回程度、足を動かしている計算になり、素
理化学研究所は22日、小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が作製したSTAP(スタップ)細胞から培養された幹細胞の解析結果を訂正した。共著者の若山照彦山梨大教授が提供したマウスから作製されたものではないとした6月の発表は誤りで、若山研究室のマウス由来だった可能性も否定できないとしている。 若山氏が目印となる遺伝子を18番染色体に挿入したマウスを作製し、これを受け取った小保方氏がSTAP細胞を作り、若山氏が培養して幹細胞を作った。 この幹細胞について理研は当初、遺伝子は15番染色体に挿入されており、若山氏が提供したマウス由来ではないと発表。だが詳しい調査の結果、この細胞には別の遺伝子も挿入されており、染色体の挿入場所は分からなくなったという。同じ遺伝子の特徴を持つマウスは大阪大が作製し、若山研究室で飼育されていた。 また若山氏は同日、英科学誌ネイチャーに掲載されたSTAP論文
欧州宇宙機関(ESA)の報告によると、地球の磁場はこの6カ月間、当初の予測の10倍のスピードで弱まり続けているという。 地球の磁場が発生する理由は、地球の外核にある溶解鉄の対流だと考えられている。この磁場は、地表の上空約600,000kmにまで広がって、太陽から吹き寄せる放射線からわれわれを守ってくれている。地球の高緯度地域で素晴らしいオーロラが見られるのも、地球の磁場のおかげだ。 ESAは2013年11月、地球の磁場の変化を高精度・高詳細に測定することを目指し、3基の人工衛星「SWARM」を打ち上げた。そして、SWARMが返してきた最初のデータによると、地球の磁場は「10年で約5%」というスピードで弱まっているという。
理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダー(30)が作製した「STAP細胞」を基に作ったとされる細胞の遺伝子を第三者機関が解析したところ、別の万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)の標準的な特徴の一部が確認されたことが15日、分かった。論文の記述と矛盾しており、STAP細胞が実はES細胞だった疑いが一段と強まった。 第三者機関に解析を依頼した論文共著者の若山照彦山梨大教授が16日、記者会見して発表する。STAP細胞の新たな疑義について共著者が発表するのは初めて。理研も独自の解析で同様の結果を得ているとみられ説明を求められそうだ。 解析したのはSTAP細胞に増殖能力を持たせた幹細胞。小保方氏が論文で使用した8株を若山氏も保管していた。論文では、紫外線を当てると光る緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子を18番目の染色体に組み込んだマウス同士を掛け合わせて作製したと記述されていた。 ところが第
■超深海の資源探査に挑む 世界最深の1万2000メートルまで潜航できる次世代の有人潜水船「しんかい12000」の開発構想が本格的に動き出す。海洋資源の宝庫である深海底では近年、各国による資源探査の競争が激化しており、海洋研究開発機構は2023年ごろの運用開始を目指している。(伊藤壽一郎) ◆小型でも快適 「世界最深部まで潜れる性能と高い居住性を実現し、より多くの研究者が長時間滞在できるようにしたい」。文部科学省とともに次世代有人潜水船の構想を検討している海洋機構の磯崎芳男海洋工学センター長は、こう話す。 世界で最も深い海底は、小笠原諸島(東京都)の南東に延びるマリアナ海溝のチャレンジャー海淵(かいえん)(水深1万911メートル)。海洋機構の有人潜水船「しんかい6500」(潜航深度6500メートル)の2倍近い能力を実現すれば、前人未到の超深海が見えてくる。 有人潜水船の心臓部は人が乗り込む部
南極大陸の一部で、温暖化する海の影響により氷床の融解に歯止めがきかなくなり、将来の大幅な海面上昇が避けられそうにないとする研究結果を米航空宇宙局(NASA)などの研究チームが12日、発表した。 NASAの研究者は「南極の氷が将来崩壊せずにすむ限界点を越えてしまった」と警告。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が昨年、世界の平均海面が今世紀末に最大82センチ上昇するとの報告書をまとめたが「上方修正が必要」と指摘している。 NASAのチームはレーダー衛星の観測データを使い南極大陸の西側に位置する氷床の構造変化を分析。その結果、温かい海水が氷床の下に入り込んで氷が解ける現象が加速しており、下の支えを失った氷が海に浮いた状態になって、さらに融解が進む悪循環が起き始めていると指摘した。 米ワシントン大などのチームは同日、少なくとも200~千年後に巨大氷床が崩壊し大規模な海面上昇が起きるとす
人工骨による治療前(左)と治療後の様子を表したCG画像。患者のデータから作成した(新エネルギー・産業技術総合開発機構、ネクスト21提供) 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などの研究チームは7日、3Dプリンターを使って人工的に骨を作る技術を開発し、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に薬事承認を申請したと発表した。平成27年にも実用化される見込みだという。 NEDOは東京大や、医療技術を手がけるベンチャー企業「ネクスト21」(東京都)などと3Dプリンターによる人工骨を作製。患者一人一人に合わせて、骨の中の構造まで再現することができ、0・1ミリ単位で成形することが可能になった。すでに臨床試験を実施し、有効性や安全性を確かめたという。 材料は骨の成分の一種である特殊なリン酸カルシウムで、患者本人の骨とくっつきやすく、移植後に徐々に本人の骨と置き換わるとしている。 先天性の病気や事故な
理化学研究所などが発表した新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文に不自然な点がある問題で、理研は14日、調査委員会の中間報告を発表した。実験結果を示す重要な画像が、筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子・理研研究ユニットリーダーが早稲田大に提出した3年前の博士論文の画像と同一と判断し、流用を事実上認定。小保方氏らは論文撤回の検討と謝罪を文書で表明した。 小保方氏らは1月末、STAP細胞の論文を英科学誌ネイチャーに発表。新たな万能細胞として世界的に注目されたが、信頼性が疑われる事態となり、論文は撤回される公算が大きくなった。撤回されると、研究成果は白紙に戻る。 小保方氏、笹井芳樹理研発生・再生科学総合研究センター副センター長ら3人は連名で「論文の不備について多方面からご指摘をいただいていることを真摯(しんし)に受け止め、混乱をもたらしていることについて心よりおわび申し上げます」などとする文
理化学研究所などが発表した新型万能細胞「STAP細胞」の論文に不自然な画像などが掲載された問題で、筆頭著者の小保方晴子・理研研究ユニットリーダーが論文を撤回する意向を示したことが14日、分かった。小保方氏は論文取り下げの意向と「心からおわびする」との謝罪を記した文書を公表する。理研は同日午後、調査委員会の中間報告を発表する。 小保方氏らは1月末、STAP細胞の論文を英科学誌ネイチャーに発表。全く新しい手法で作った万能細胞として世界的に注目されたが、信頼性が疑われる事態となり、論文は撤回される公算が大きくなった。撤回されると、研究成果は白紙に戻る。 STAP論文は2本で構成され、共著者は日米の計14人。米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授は撤回に難色を示している。小保方氏は、米留学時の指導教官だったバカンティ氏の意向に沿って、当初は撤回に反対だったが、理研内部で撤回が妥当との意見が強ま
約6550万年前、恐竜など生物が大量絶滅したのは、巨大隕石の衝突で発生した酸性雨による海洋の酸性化が原因と指摘した研究結果を、千葉工業大などのチームが9日付の英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に発表した。隕石衝突を模した実験で突き止めた。 メキシコ・ユカタン半島に約6550万年前に直径10キロの隕石が衝突し、環境が変動して地球上の全生物種の半分以上が絶滅したとされる。隕石衝突で放出されたちりが日射を遮り寒冷化が起きたとする説などが提唱されているが、どれも海の絶滅をうまく説明できなかった。 チームは、ユカタン半島のクレーターと同じ成分の硫酸塩岩に、レーザー銃で秒速15~20キロに加速した金属を打ち込み、隕石の衝突を再現。放出ガスを分析した結果、短期間に強い酸性の雨を降らせる三酸化硫黄が多く発生したことを確認。さらに、数日間非常に強い酸性雨が降って深刻な海洋の酸性化をもたらし、多くのプラン
理研は5日、小保方晴子研究ユニットリーダーが1月末の論文発表後、初めてSTAP細胞の再現実験に成功したことを明らかにした。実験の客観的な証明には第三者による再現が必要だが、成果の正しさを一定程度裏付けた形だ。 理研によると、小保方氏は理研発生・再生科学総合研究センターで先月、再現実験を開始。論文通りの手法でマウスの体細胞を弱酸性溶液で刺激し、あらゆる細胞に分化できるSTAP細胞を作製することに成功した。細かい実験手順も含め同センターとして正しさを再確認したとしている。
日本海に面する兵庫県新温泉町の諸寄港で25日、全長約4・1メートルの生きたダイオウイカが水揚げされた。素潜り漁をしていた地元の男性漁師が海中で見つけ、もりとロープで捕獲し、船で運んだ。鳥取県立博物館の和田年史主任学芸員は「浅瀬で生け捕りされるのは珍しい」と話している。 重さは約200キロと推定され、大きさや形状から雌とみられる。「触腕」という最も長い足が2本とも切れており、表面の皮が一部はがれていたが、傷は少なく、体は赤みがかっていた。 今後、冷凍保存され、標本として博物館などで研究に役立てられる。 ダイオウイカは無脊椎動物では最大級で、深海に生息。今年に入り、富山や新潟、鳥取で水揚げが相次いでいる。食べても臭くておいしくないとされているが、諸寄港に駆け付け、足の部分を試しに生で食べた和田さんは「新鮮だったせいか臭みはなかったが、うまくもまずくもなかった」と話した。
「小保方さん気付かなかった」 理化学研究所などが英科学誌ネイチャーに発表した新型万能細胞「STAP細胞」の論文に不自然な画像があると指摘された問題で、共著者の若山照彦山梨大教授は24日、産経新聞の取材に対して単純ミスによる画像の誤掲載があったとして、論文を修正すべきだとの考えを明らかにした。研究の成果自体に問題はないとしている。 若山氏によると、筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子・理研研究ユニットリーダーは「指摘されて初めて(ミスが)分かった。全く気付かなかった。研究そのものを疑われるのは悔しい」と話しているという。 論文では、異なる実験で作ったはずのマウス胎児の画像2点が酷似していた。 若山氏は「不作為の単純ミスだと思う。画像は数百枚あり、小保方さんが勘違いで同じものを使ってしまったようだ。私を含め、共著者全員のミス」と話した。 この問題をめぐっては理研とネイチャー誌が調査を始めている。
弱酸性の刺激を与えるだけの簡単な方法で、あらゆる細胞に分化できる万能細胞を作製することに理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)のチームがマウスで成功した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)とは異なる新型の万能細胞で、再生医療の研究に役立つと期待される。30日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表する。 体の細胞を万能細胞に作り替えるには、初期化という作業で受精卵の状態に逆戻りさせる必要がある。iPS細胞は遺伝子を使って初期化するが、今回の方法は酸性の溶液に浸すだけで簡単なのが特徴。開発した小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダーらは、全く新しい万能細胞として「刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得(STAP=スタップ)細胞」と命名した。 研究チームは生後1週間以内のマウスの脾臓(ひぞう)から、血液細胞の一種であるリンパ球を採取し、水素イオン指数(pH)5・7の希塩酸溶液に約30分浸して刺
「誰も信じてくれなかったことが、何よりも大変だった」。従来の常識を打ち破る革新的な万能細胞「STAP細胞」を開発した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)は、成功までの道のりをこう振り返った。 STAP細胞が打ち破った常識は「動物細胞でも外的刺激で初期化した」「あまりに簡単すぎる技術で実現」など数多い。学位を取得して2年目の若き女性研究者が挙げた成果というのも、その一つだ。 これほど常識破りだったため、昨年春、世界的に権威ある英科学誌ネイチャーに投稿した際は、「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄していると酷評され、掲載を却下された」。 だが、「STAP細胞は必ず人の役に立つ技術だ」との信念を貫いて膨大なデータを集め、今回は掲載にこぎつけた。「何度もやめようと思ったけれど、あと1日だけ頑張ろうと続けてきて、いつの間にか今日に
スティーヴン・ホーキング博士は、『arXiv』に公開した短い論文で、「光が無限に抜け出せない領域という意味でのブラックホールは存在しない」と主張している。 ブラックホールのイメージ。Image:NASA/Wikimedia Commons著名な物理学者のスティーヴン・ホーキングは、『arXiv』に1月22日付けで公開した短い論文で、「(これまで考えられてきたような)ブラックホールは存在しない」と主張している。この現象は定義され直す必要があるのだと同氏はいう。論文のタイトルは「Information Preservation and Weather Forecasting for Black Holes」(ブラックホールのための情報保存と天気予報)。古典理論では、エネルギーと情報はブラックホールの「事象の地平面」を抜け出せないと主張されるが、量子物理学はそれが可能であると示唆されるというパラ
火星探査車「オポチュニティ」が撮影した前方の地表の写真に、12ソル(ソルは火星日)前まではなかった小さな石の姿が写っていた。その理由は? 米航空宇宙局(NASA)の火星探査車「オポチュニティ」が、どこからともなく現れたかに見える石を発見した。ミッションの技術者たちは頭を悩ませている。ドーナツほどの大きさなのに、「Pinnacle Island」(「とがった島」。なお、複数形だと、尖閣諸島の由来となった英語になる)と仰々しい名称を与えられた問題の石は、2014年1月初め、オポチュニティの前に突然、姿を現した。ミッションの3528ソル目(ソルは火星日、1ソルは24時間39分35.244秒)に撮影された写真には、単なる地表しか写っていない。それが3540ソル目、突如この石が現れた。
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