”増税のエンジン”である財務省主計局が毎年3月に発表する資料がある。〈国民負担率の国際比較〉。それによれば、諸外国に比べて「日本の国民負担率は低い」のだという。日本は税金や社会保険料などが安い、「だから日本人はまだまだ負担すべきだ」という論理だが、そこに大嘘が隠されている。 まず最大のまやかしは、国民負担率の比較では国民の「潜在的負担」である借金=毎年の財政赤字が考慮されていないことである。 税金や社会保険料に加え、財政赤字は将来の国民負担にほかならない。その借金分(財政赤字対国民所得比)を合わせた国民負担率を「潜在的国民負担率」と呼ぶ(財務省は一応その数字を出しているが、わざとなのか、わかりにくい図表で発表している)。当然ながら、借金の額は国によって異なるから、負担率を比較する際はそれを含めて考えるのが当然である。 潜在的国民負担率で比較すると、今年公表の最新版では日本53.2%、アメリ