ソチ五輪フィギュアスケート男子個人で5位に入賞し、その後の世界選手権で銀メダルに輝いた町田樹(たつき)(24)=関西大=がインタビューに応じた。独特な言い回しから「氷上の哲学者」とも呼ばれて脚光を浴びた町田。日本男子フィギュア勢「第6の男」から、わずか半年で世界の表彰台に駆け上った躍進の陰には「言葉の力」があった。フリーの曲「火の鳥」のごとく羽ばたいたシーズンを終えた今も、言葉と向き合う。「ボーカル曲」使用は謎 5月2日、横浜市内のホテルの約束の場所に姿を見せた町田は、早くも次のシーズンを見据えていた。フィギュア個人では来季、歌詞入りの曲が解禁されるが、ルール改正がもたらすのは、選曲の幅が広がるだけの単純なものではない。歌詞という言葉が持ち込まれることによる本質的な変化を、鋭敏に感じ取っていた。 「何の考えもなしにボーカル入りの曲に手を出せば失敗する。なぜなら歌詞があるということは、言語化