致死率が高い「ウイルス性出血熱」の一つ、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)が拡大している。感染者数は昨年、一昨年と過去最多を更新した。国内初確認から10年、ペットを通じた、新たな感染ルートのリスクも分かってきた。 【画像】SFTSの感染経路を調べるため、民家の庭から掘り出したネコの死体を調べる宮崎大学の研究者ら=岡林環樹教授提供 SFTSは森林や草むらにひそむマダニが媒介。ヒトやネコ、イヌが感染する。国の研究班がまとめた「診療の手引き」によると、感染すると、嘔吐(おうと)、下血や発熱が起き、ヒトの致死率は25~30%に達する。 高齢者の発症が多く、今も対症療法以外の有効な治療はない。2011年、中国で初めて見つかり、日本では13年に山口県で初めて報告された。 患者数は増加傾向にある。国立感染症研究所によると、過去最多の110人が感染した21年に続き、22年も118人と最多を更新した。これ