LIXILは最大2万5000人、NTTコミュニケーションズは1万4000人――。この2社で2020年4月から、膨大な数の従業員がテレワークをしている。それでも他の企業で起きた「VPN渋滞」とは無縁だった。その秘密とは。 「もし当社のセキュリティー対策が従来のままだったら、テレワーク急増には到底対処できなかった。VPN(仮想私設網)が足かせとなり、多くの業務が支障をきたしていた」――。建材・住設機器大手LIXILの安井卓デジタルテクノロジーセンター センター長は、安堵の表情を浮かべてこう語る。 LIXILグループは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2020年4月から、本社オフィスで働く従業員の99%を在宅勤務に移行した。グループ全体では最大2万5000人が、同社が主にオンプレミスで運用する1500個の業務アプリケーションをテレワークで利用しながら、自宅であってもオフィスと同じように働いてい