1.はじめに 薬を飲んだ時、実際に患部にまでたどり着いて効き目を発揮するのは、飲んだ量のわずか100分の1�01万分の1程度に過ぎません。薬の成分の中には生体内で速やかに分解されて効力がなくなるものもあります。あるいは、必要のない部位に作用し副作用を引き起こすこともあります。薬の持つこのような欠点を改善する技術がDDS(ドラッグデリバリーシステム;薬物送達システム)なのです。(「表1 DDSの定義と分類」参照) DDSは、薬の投与部位から作用発現部位に至るまで、薬物の体内動態を1つのシステムとして捉え制御することにより、薬の効用を高める一方で薬の量や投与回数、副作用を軽減し、患者のQOL向上に大きく貢献します。さらに、これまで治癒が困難とされてきた様々な疾病、難治性希少疾患の治療にも活路を開くものとして大きな期待が寄せられています。DDSは、薬物に新たな生命と役割を与え薬物治療の可能性を切

