ヒュミント(人間を使った情報収集活動)の協力者獲得工作では、公開情報(新聞、雑誌など)を小道具として最大限に活用する。 工作員は、「わたし、日本語、よくできません。日本のことをもっとよく知るために、どの新聞や雑誌の記事を読んだらいいか、教えてください」などと言う。実際は、日本語に堪能で、新聞や雑誌は非常によく読み込んでいる。新聞や雑誌ならば、公開情報なので、別に教えてあげても構わないと考え、情報を提供する。 そうすると工作員は、「実は、大使館では新聞や雑誌をきちんと保管していないので、よろしかったらコピーが欲しい」と言ってくる。実際は、新聞や雑誌は、切り抜きをし、分類してある。こういうときは、「僕は忙しいんだ。国会図書館か日比谷図書館に行けばコピーができるよ」と言って、先方の依頼を断ればいいのだが、日本人にはお人よしが多いので、「これくらいならいいか」と思って引き受けてしまう。先方