日本帝国海軍では潜水艦を、水上艦隊とともに行動するものと位置付けていた。艦隊の前面に展開し、最初に敵艦にダメージを与える役割を担わせようと考えていたのだ。それにより続く艦隊決戦を有利にし、敵艦隊を確実に撃滅に導くことを想定したのである。そのため潜水艦も艦隊と行動を共にできるように、速力や航続力が重要視された。 伊17潜水艦の砲撃で撃破された後、魚雷で止めを刺されて岩場に座礁したアメリカのソコニー・バキューム・オイル社タンカー「エミディオ」。アメリカ西海岸における通商破壊作戦における初の獲物となった。 日本海軍の潜水艦は、艦隊決戦時の斬り込み隊長的な位置づけであった。それがドイツ海軍得意の群狼作戦よろしく、複数で協同して通商破壊戦を演じ、戦果を挙げたことがあった。1941年12月8日の開戦後、緒戦で勝利を重ねた日本海軍は、太平洋から東南アジアにかけての広大な海域を勢力下に収め、12月中旬には