連載第1回では、自治体が歩み始めたデジタルトランスフォーメーション(DX)の紆余曲折と現在地について概観した。第2回、第3回では、先進的な取り組みを進める自治体の事例を詳細に追うことで、自治体のDX成功に必要なエッセンスの抽出を試みたい。 役所にシステム内製の文化を醸成する、神戸市のチャレンジ 今回取り上げるのは、スタートアップとの協働による地域課題解決への取り組みで知られる神戸市だ。神戸市にフォーカスする理由は、業務デジタル化の手法として、ローコード開発ツールを用いた内製文化の醸成にチャレンジしているためである。 前回も言及したように、従来の自治体におけるシステム調達は予算要求作業、ベンダーとの仕様書の調整、入札など多くのステップを経て行われるため、時間と費用がかかるものであったが、神戸市は現場の職員が次々と業務改善のためのシステムを作成するようになった。 とはいえ、神戸市は職員数が2万
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