この記事の写真をすべて見る いま、貧困や経済格差の問題を解決する方法として、国が全国民に一律で必要最低限の生活費を給付する「ベーシックインカム」が注目されています。その実現可能性は、どのくらいあるのでしょうか? 『いまこそ「社会主義」』(朝日新聞出版)の共著者である的場昭弘さんと、『武器としての「資本論」』(東洋経済新報社)の著者である白井聡さんに聞きました。(※本記事は、朝日カルチャーセンター主催で2020年11月に行われた対談講座「マルクスとプルードンから考える未来」の内容の一部を加筆・編集したものです) ■ベーシックインカムは、企業のためのもの? ――ベーシックインカム論は、労働者が資本から自由になる道でしょうか? それとも、国民が国家に取り込まれる道でしょうか? 的場:ベーシックインカムというのは、もともとは資本主義的な発想の中から出てきた概念です。資本主義経済では、消費者にたくさ