「靖国に参拝しない」と言うだけでは足りない。この地域の近現代の歴史をどう見るのか、戦後の日本は何を反省し、教訓としているのか。鳩山首相には常にそこを意識し、一貫した発信に心がけてもらいたい。 歴史認識は難しいものがある。外交とその時の情勢や機運というものもあり、「一貫した」より、鳩山さんお得意の「時間というファクターによって変化する可能性は否定しない」で行ったほうがよいだろう。 そういえば。 大声で歌え「君が代」を: ケヴィン・M・ドーク, 工藤 美代子 本居宣長から福沢諭吉、和辻哲郎、そして安倍晋三まで── 近代日本の「ナショナリズムの歴史」を解き明かした話題作を邦訳。 ナショナリズムはけっして危険思想ではない。むしろ欧米の民主主義の発展にとって必要不可欠な思想だったし、日本も例外ではあり得ない。国旗を振らず、国歌を歌わない国が、はたしてあるだろうか。 著者は米国ジョージタウン大学の教授