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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/william1787 (2)

  • 政教分離原則の歴史 - 研究生活の覚書

    ジャン・ジャック・ルソーの『社会契約論』第四篇第八章に“civil religion”というよく分からない概念が書かれている。長さにして2頁くらいで、当に最後の最後に唐突に出てきて、それきりになっている。学部学生時代、ハンナ・アレントの文献を読むゼミに出席していた時、当時の政治思想史の教授がふっと、「あれ、よく分からないんだよね」と言っていた。なぜこの話が出てきたのかは、私はもう憶えていないが、たぶんギリシャの政治と宗教の問題をアレントが論じていた時に、教授が思い出したのだろう。 ニコロ・マキャベリは、領主としてのローマ教皇の存在がイタリアの統一を妨げていると考えていたのは有名なわけだが、彼の宗教としてのキリスト教に対する否定的な感情は、『ローマ史論』の中に出ていて、要するに「キリスト教は共同体への英雄的な献身を生み出さないが、異教(古典古代のギリシャ・ローマ)の宗教ではそれを讃える」と

    政教分離原則の歴史 - 研究生活の覚書
  • 科学とスピリチュアリズム - 研究生活の覚書

    19世紀後半から20世紀初頭のアメリカ文化をみるとき、無視しようとしてもどうしても無視できないのが、スピリチュアリズムのブームである。交霊会があちこちで催され、霊媒師を通して霊魂との交流が行われた。ソローやエマソンの作品もこういう時代の雰囲気を知っていないと、当には理解できないんだろう。特に、スゥエーデンボルグの霊界探訪の記述は、この時代の文学者にベッタリと影響を与えていて、確かエマソンの母親はスゥエーデンボルグの信者だったはずである。 実はこういう心霊主義のようなものは、アメリカには植民地時代からわりと多くて、それは定期的に起こる信仰復興運動とは、また別の位相のものとしてずっと存在してきた。理由はよく分からないが、一つ考えられるのは、アメリカにはヨーロッパにおけるような確立した教会組織があまりなくて、こうしたキリスト教的には異端的ものが比較的存在しやすかったというのはあるだろう。魔女裁

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