真夜中に目が覚めた。 隣で寝ていた娘がごそごそと動いていたかと思うと、ティッシュペーパーを箱から何枚も引っ張り出す音が聞こえてきた。ああ、鼻血が出たんだなと思い、電気を点けて様子を見た。 寝ている間に鼻に手が触れるのか、起きたら血だらけと言うのは娘も息子も、かつての私も経験していることである。慌てない慌てない。 なんとか鼻血が止まると娘はまた毛布にもぐって寝息を立てはじめた。 私も毛布にくるまってもう少し寝よう・・と目を瞑ってみたのだが、なんだか眠れない。 そのうちに東の空が白んできた。 ああ、朝なのか。 もう朝なのだ。 最近は、朝方冷えるので、毛布さんは私に「起きろ!」とは言わず、いつまでも一緒にいてくれる。だから私も甘えて一緒にぐるぐるっと巻き付いて抱きしめる。 そんなふうに、だらだら、うとうとしているとだいぶ時が過ぎていた。 これではいかん!と重たい体を何とか起こしてベッドから降りる