東京オリンピック開催直前の7月下旬、私は韓国のある財閥系商社員とランチを共にしていた。挨拶も早々、親しい関係の私たちの話題は、韓国選手団が選手村宿舎に掲げた垂れ幕「臣にはまだ5000万国民の応援と支援が残っております」に移った。私が、他国選手団も選手村宿舎に国旗や国名を記した横断幕を掲げていたが、政治的内容とも受け止められるメッセージを掲げたのは韓国だけだということを指摘すると、韓国商社員は意外なことに素直に頭を下げた。 「あれは本当に申し訳ないと思う。韓国の国際感覚のなさが恥ずかしい。東京で李舜臣将軍のあの言葉を掲げるというのは、ロンドンでジャンヌダルクの『私たちが戦うからこそ、神は勝利を与えてくださる』を掲げるようなもので、明らかに喧嘩を売っているでしょう。韓国人の多くはあの垂れ幕を見て、ヤバいと思ったはずです」(韓国商社員) 当時、韓国・青瓦台(大統領官邸)は文在寅大統領訪日の条件と