June 19, 2014 社会学における実証主義批判の対象は論理実証主義だったか? 『現代思想』6月号の「ポストビッグデータと統計学の時代」に寄稿された太郎丸博さんの論考「統計・実証主義・社会学的想像力」(pp.110-121) を読んだ。全体としては同意できる点が多い論考なのだが、論理実証主義をめぐる論点でちょっと気になったところがある。 太郎丸氏は、論理実証主義を「経験的に真であることが検証された命題と、それらの真の命題から論理的に演繹された命題のみにもとづいて科学的な言明は構成されるべきである」(p.112)という立場としてまとめ、それがいくつかの側面から批判されてきたということを(ラカトシュ、ガーフィンケル、ラトゥール、ヘッシーらを文献として引きながら)紹介している。この論理実証主義のまとめは狭すぎる気もするが大きく外しているというほどでもない。 しかし、太郎丸氏は論理実証主義を