経済誌記者時代に感じた大きな違和感 ――「ジェンダー炎上」に関する治部さんの新刊は、一橋大学大学院で取り組まれた修士論文を基にしたそうですが、お2人は一橋大学の同級生だそうですね。 中川:もともと大学の頃から治部さんを知っているんです。昔からプライベートな話もする仲で。だから治部さんが雑誌やネットで「ジェンダー」や「フェミニズム」について語るのを見た時に、本当にビックリして。俺、知らなかったの。そういう分野に関心があったことを。 治部:20年前の私は、それこそ下ネタも辞さないような「小娘の皮を被ったおじさん」だったからね(笑)。ジェンダーの授業は、大学時代に受けてはいました。でも新卒で入社した出版社では、上司は全員男性だし、取材先も多くは男性。飲み会で男性の不倫話を聞くことも仕事のうちだと、本気で思っていたんですよ。 そんな過去があるから、昨今の企業CMの炎上を見た時に、CMや企業を批判し