300億ドル超の教育政策 日本は、米国の教育セクターの新型コロナ対策から何を学べるだろうか? 現代の国際比較教育学で肝心要となるのは文脈と因果関係の理解である。これらが欠けた状態で他国がこれをやって効果を上げたから我が国もこれをしようというのは、平時であれば大チョンボで済むが、危機のときには致命傷になりかねない。 そこで今回は、米国の教育セクターにおける新型コロナ対策としてどのようなことが、どのような文脈で行われているのかを解説したい。 米国連邦政府は、今回の新型コロナ対策としてCoronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act(CARES)を制定した。 CARESの中で教育に割かれる予算は、307.5億ドル(約3兆1千億円)にものぼり、正に歴史的な教育政策となるが、教育セクターからは失望の声が上がっている。なぜなら、オバマ政権の金融危機対