福島大共生システム理工学類の山ノ内崇志特任助教は10日、特定外来生物「ボタンウキクサ」について、国内の全てが外来種とは言えないとする研究結果を発表した。 多数の歴史資料や書籍、論文、標本データなどを検討した結果、南西諸島では1854年から断続的に記録があることなどが分かった。自然分布または明治以前の古い時代に日本に入ったと判断するのが妥当という。特定外来生物に指定された生物で、実際には一部地域で古くから自生していた可能性が指摘された例はほかになく、外来生物法でどのように扱うかの検討が急務だとしている。 ボタンウキクサはサトイモ科の浮草で、かつて観賞用に栽培されていたが2006年に特定外来生物に指定され、栽培や流通が規制されている。 発表によると、九州以北のボタンウキクサは人が持ち込んだものだが、先行研究で南西諸島には非常に古い記録があることが示されており、日本国内の全てが外来種と言えるのか