旧暦1月7日夜から翌暁にかけて行われる蘇民祭(そみんさい)は、厳寒積雪の中で行われる裸の夜祭りで、修験道(しゅげんどう)の性格をもった寺のなごりを残している。平成14年(2002)は、2月18日~19日に開催された。 蘇民祭は、薬師信仰千古の歴史にのっとり、五穀豊穣と災厄祓いを願って、裸参り、柴燈木登(ひたきのぼり)、別当登(べっとうのぼり)、鬼子登(おにごのぼり)と続き、祭りのクライマックス・蘇民袋争奪戦に至る水と炎の織りなす勇壮な裸祭りである。江戸時代後期に傑出した紀行文を多数残した旅行家・菅江真澄(すがえますみ)は、蘇民祭を見て「世に珍しきあらがい祭りなり」と記している。現在、国から記録保存すべき無形民俗文化財に指定され、黒石寺・藤波洋香(ふじなみようこう)住職が主催し、黒石寺蘇民祭保存協力会青年部が祭りを取り仕切る。