依然として状態が確認できない状況が続いているX線天文衛星「ひとみ」について、JAXAは15日に記者発表を行い、衛星の姿勢異常の発生から物体の分離に至るまでの有力な推定メカニズムを公表した。 【2016年4月18日 JAXA】 3月28日を最後に「ひとみ」との通信は途絶したままだが、それまでに得られたテレメトリデータを基にした解析から、衛星が姿勢異常を起こした原因とその後の事象について有力なメカニズムが推定された。 「ひとみ」は3月26日、活動銀河核を観測するために予定どおりの姿勢変更を行った。その際、2種類の機器を用いて姿勢を判断し制御を行うのだが、一方のスタートラッカ(STT)と呼ばれる機器が何らかの理由により想定外の動作を行ったと推定される。その結果、もう一方の慣性基準装置(IRU)と呼ばれる機器の誤差推定値が大きな値のまま保持されてしまう(本来はSTTのデータと照合し誤差を小さくする