ベンチャービジネスに興味がある人間なら知らない者はいないあのピーター・ティールは、彼の著書『ゼロ・トゥ・ワン』によると、SF大好きだという。「ニール・スティーブンスンは必読だ」みたいなことが書いてある。 日本の大半のひとにとってはちんぷんかんぷんなことだろう。スティーブンスンについて知らないだろうし、そもそもSFとビジネスなんて、どうつながるんだ? と。 しかしアメリカにはこういうタイプのひとは少なくない。というか、日本人の多くが小説と仕事というかサブカルとビジネスの影響関係に無関心なだけで、国際的には必ずしもそうではない。 たとえばビジネス書でSFについて言及されているものと言えば、クリス・アンダーソンの『FREE』がある。日本ではマイナー作家だけど、コリイ・ドクトロウの発言が引用されていたりする(ドクトロウは経営誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』にも寄稿してた)。アンダーソンはアメリ