どれだけ多くの本を読んで得た知識よりも、たった一人から体験談を聞くことの方が新鮮で刺激的で、インプットが大きかった。そんな経験をしたことはありませんか?ここで紹介する図書館がまさにそれ。なぜって、蔵書は本ではなく、さまざまな知識や経験をもった人間だから。 蔵書は本ではなく、あらゆる個性をもった人──。 「ヒューマンライブラリー(人間図書館)」は今から16年前の2000年春、コペンハーゲンで毎年開催されるヨーロッパ最古の野外ロックフェス「ロスキルド・フェス」のイベントの一環として、開館したのが始まりです。 野外音楽フェスに図書館とは、いささか妙な響きではありますが、ロスキルド・フェスはオーガニックフードを扱ったり、ゴミ問題に積極的だったりと環境に配慮したイベントとしても知られています。フェスの楽しさと同じように環境や社会の問題に向き合うこの場で開館することには、大きな意味があったのでしょう。