年を重ねるにつれ“最近”という言葉の期間が長くなっている。 つい先日も友人との会話で「最近って、いつの話?」と聞かれ、「2~3年前」と答え笑われた覚えがある。2~3年前は大げさにしても、大人になれば昔のことが最近のように感じられることは誰にでもあるはずだ。その理由はやはり大人になると時間が短く感じるからだろう。 先日、文庫化された科学者 一川誠氏とジャーナリスト 池上彰氏の対談本『大人になると、なぜ1年が短くなるのか?』(一川誠、池上彰/宝島社)では、時間について認知科学の視点から語られている。本書から大人になって時間が短くなる理由を探り、ゆったりとした時間を過ごす方法について考えてみよう。 人間の脳には視交叉上核と呼ばれる細胞群がある。この細胞群は、心拍数や血圧、体温などを変動させ代謝に影響を及ぼす。本書によると、この代謝が大人になると時間が短く感じることに大きく関係しているようだ。 認