ここ5年ほど、スタートアップ支援プログラムを実施する日本企業が次々と現れています。アクセラレーターやベンチャーキャピタル部門に加え、「オープンイノベーション」や「デジタルトランスフォーメーション」といった類のフレーズを冠した部署を立ち上げたりしているのです。このように、企業がスタートアップに興味を抱いてくださるのは歓迎すべきことです。一方で、多くの企業は「木を見て森を見ず」の状態にあるのではないかと懸念を抱くこともあります。 おそらく企業は、新しい事業の柱や、既存事業と「シナジー」を生む事業を発掘することを意図してそういったプログラムを実施しているのでしょう。しかし、そういったプログラムを進めるうちに、いつしか短期の視点にとらわれ、長期的な目標をおろそかにしてしまうのです。周りがこぞってアクセラレーターをやるから、自分たちもやる。周りがスタートアップに投資するから、自分たちもする。周りがイ