特定の場所にあることを好まず、五感がそれぞれに手足を伸ばしてだらける。 イメージを持ちながら肩の力を抜ける、そういう瞬間が好きだ。 だから人といることはほんの少し、苦痛を伴う。 理解できないこと、面倒なこと、関係のこじれに伴う修復、解体への労力。 だけどそうした負の面の隙間に、幸せは転がっている。 人は退屈だ。それは孤独よりずっと辛い、耐えがたい病気だ。 わたしを変成していく悪性の病気に対抗する薬は、人との間に生まれる見えないものしかないんだろう。 人間関係というのは形がないまま漂うことでしか維持できないものなのだと思う。 友達とか、家族とか。 必要以上の肉付けをしようとしても、中身は空洞になっていくだけだから。 以前にだれかが言っていたけど、 一人で完成されて生きる人間は、もう人の範疇からははみ出している、らしい。 人間という生き物としてのバランスが崩壊しているのだから、別種の生き物と捉