「俺、しばらく実家から通おうと思ってるんだけど。変かな!? 実家から通ってる36歳のプロ選手って、きっと他にいないよね」 本山雅志は笑いながら言った。 ギラヴァンツ北九州への移籍が正式に発表された4日後、昨年末12月30日のことである。 年末、“鹿島の10番”だった男は北九州にいた。 12月30日、本山雅志は早朝7時から、北九州市内の某グラウンドにいた。 池元友樹(北九州)や山形辰徳(栃木FC)、引退した宮原裕司、千代反田充など東福岡高校卒業生の姿もみえる。ほかにもアビスパ福岡J1昇格の原動力・鈴木惇、アギーレJAPANに招集されたこともある坂井達弥(鳥栖)、U-18日本代表の冨安健洋まで……。 彼らは“WAKAMATSU CUP”のボランティアスタッフだ。 WAKAMATSU CUP(新春初夢若松サッカー大会)は本山雅志、宮原裕司、山形辰徳の3人が主催者となり、毎年冬休みに地元の小学生チ