県と近江鉄道(本社・彦根市)は30日、県内の鉄道線全線(59・5キロ)で今年7月に実施した除草剤散布の影響で、稲が枯れるなどの被害が東近江市など少なくとも3市3町の沿線で確認されたと発表した。食品衛生法上の基準値を超える疑いがある農薬成分が検出された稲もあり、県は安全性が確認されるまで、沿線の農家にコメの収穫や出荷の自粛を求める。【村瀬優子】 近江鉄道によると、線路敷の除草のため毎年この時期に散布を実施。今年は7月の20日間、委託先の業者が例年と同じ方法で散布したという。今月4日、沿線の耕作者から同社に「稲の色が変わってきた」と連絡があり、29日現在、計77カ所で同様の被害の指摘があった。同社はこの他にも計127カ所で被害を確認。線路から約10メートル離れた稲が変色した例もあったという。 近江鉄道は20日、3カ所の稲穂をサンプル調査。このうち2カ所で玄米の基準値(0・02ppm)を超す農薬