メディアの枠にとらわれないクールな映像を探索し続けている映像プロダクション「WOW」。その中で阿部伸吾氏は、水滴のようなオブジェクトで不思議な世界を実現した映像作品「vermilion」で文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品に選ばれたり、オリジナルワークとして発表している静止画を素材にした映像作品がどれも好評を博している注目のクリエイターである。今回は阿部氏の自宅の作業環境を取材させていただき、制作環境を支える液晶ペンタブレットについて話を聞いてみた。 ■写真を素材にしたオリジナルワークの草分け的存在 静止画だけしか使っていないのに「ここまで表現できてしまうのか」と驚いてしまう。阿部氏のオリジナルワークといえば、写真をグラフィックとして刻んで展開したものが理屈抜きのスピード感や生々しい動きを実現していることに尽きる。平面の写真のはずなのにその中を自由に動いてしまうような魅力は一目瞭然で、スト