ヨシタケ よく言われるんですけど、ぼくの絵本って、 読み聞かせにぜんぜん向いてないんですよね。 糸井 どれもそうですね、 1冊をある速度で読み通す絵本じゃない。 で、ストップしても全然かまわないですよね。 途中でやめて、また好きなときに読みはじめて‥‥、 みたいなことができる。 ヨシタケ まさにそうで、誰かに読んでもらう本じゃないんです。 ぼく自身がひとりでニヤニヤしながら読むのを 想定して作っているので。 読む順番とか、どこを読むか読まないかとか、 人に決められないタイプの本なんです。 糸井 あのマンガを思い出したんですよ。 小泉吉宏さんの『ブッタとシッタカブッタ』。 あの人も、筑波の人たちに通じる 図としての絵が描ける系統で、 「哲学を広いところで考えましょう」という意図で、 マンガという手段を選ばれているというか。 ヨシタケ そうですね。 糸井 でも、そういう人がいたのは知ってるけど